パン講座 NO.5  
    胡桃(クルミ)    
  クルミはクルミ科に属する高木で、黒い実と言う意味、くるくる転がる実の意味と
  と言われ、英語ではウォールナッツと言います。
  クルミは広葉樹の中では最も大型の部類に属し、寿命は数世紀にも及び、
  高さ30〜40m直径1〜2mの巨木になります。

 『クルミの歴史』
 クルミは紀元前7000年頃から人類が食用にしていた最古の木の実だと言われて
 います。
 ローマ時代には神々への供物として珍重されたようです。また日本でも青森県の
 三内丸山遺跡で5500年前のクルミが出土しました。これは縄文時代の前期に
 あたり、文献による栗やトチノミなどと共に菜膳食や、貴重な常備食として使われて
 いた事が分かっています。

 『クルミの用途』
 果実 はナッツとして生食、菓子材料、料理食材に使われ、
 実の油 は、食用はもちろん香料、化粧品、油絵具に、殻 は、民芸品、アクセサリー
 工業用研磨剤、自動車のタイヤやブレーキの材料にされます。
 木材 は、建築用材、家具、日用品、きのこの原木に使われ、
 樹皮、葉は、草木染の染料として、青い実は染料にも使われますが、
 皮をすりおろし食べると、鎮咳剤になり、皮膚にすり込むと水虫などの
 皮膚病に効果がある薬用としても使われます。

 『クルミの栄養』
 コレステロール値や中性脂肪値を低減させ、心臓や脳などを守る不飽和脂肪酸
 (リノール酸、リノレン酸)の含有率が天然食品の中では最も高い食品の一つと
 言われています。
 その上、クルミにはビタミン、ミネラル類や食物繊維などさまざまな栄養素が含まれ
 ているので、栄養バランスの偏りがちな現代人にとっては美容食やスタミナ食として
 も最適です。又、ビタミンB1も多く含まれていますので、疲労回復にも良く、滋養強壮
 に優れています。